コラム

Published on 2017/9/25

Takayasu Sagawa

コラム

2017/9/25

Takayasu Sagawa

今個人的に3Dのゲーム開発をしようかと思っているのですが、その上でまず大きく立ちはだかり避けては通れない壁があります。3Dのモデリングです。

誰にも作れない素敵なキャラクターのモデリングをしたいのに、何をどうしたらいいのかわからない。普段2次元的なデザインや、プログラミングで3D的な表現を用いたことはあるものの、モデリングは未知の領域で何のソフトを使って、どんなことから始めればいいのかがわからない。

軽く調べてみると、ゲーム制作に使われる3Dのモデリングソフトと言えば、「MAYA」や「3ds MAX」、「Cinema 4D」などがどうやら代表的なソフトらしいことがわかりました。ですがどのソフトも初心者が最初に手に取るものとしてはかなり高額で、勢いで手を出せるレベルではなかったです。一応体験版もありますが、機能が制限されていたりいずれ使えなくなってしまうことを考えると、試しに使ってみようかという気になりませんでした。

そこで、無料のソフトはないのかと調べてみると、実は無料のモデリングソフトというのもいろいろとあるではないですか。という事で今回3Dを始めたい人間の一人としてタイプの違う3つのソフト、「Blender」、「Sculptris」、「MagicaVoxel」を実際に使ってみみましたので、実際の使用感、制作物とともにご紹介させて頂こうと思います。

比較方法として、私が作ってるゲームに実際に使われるかもしれないキャラクター、「羊」をそれぞれのソフトで実際に作ってみて比較してみました。

↑何の変哲もない、ただの羊。最低でも正面とサイドからの絵があると、作りやすいと思います。

 

Blender

まずは言わずとしれた「Blender」。

Blender.jp

このソフトの存在は昔から知っていました。高校生くらいの頃に、Monsters Inc.を見てPixerに憧れて実家のパソコンに無断でインストールした覚えがあります。実家のクソみたいなスペックのPCでも一応動いた記憶があります。その時は全く使い方がわからず何も出来ませんでしたが。

このソフトはオープンソースで開発されている3DCGの統合環境アプリーケーション。初版が1995年とかなり歴史のあるソフトで、なんとこれ一つで、モデリング、レンダリング、アニメーションまで行うことのできる、無料とはとても思えないポテンシャルを持ったソフトです。

↑ Blenderでローポリのオオカミ

【使用感】


↑向きを変えるたびにレンダリングが走るためノイズが載っています。ローポリの感じが可愛いです。

このソフト操作感がかなり特殊で、「MAYA」など所謂業務用ソフトを普段から使っている人にとってはかなり分かりにくいらしいのですが、私を含めそもそも初心者の方は他のソフトに慣れている状態ではないと思うので特に問題はないだろうと思われます。私もそこまで違和感は感じなかったです。ただ、このソフトになれて、もし他の有償ソフトウェアに移行した時に苦労するのかもしれないですね。

初心者のための!作って学ぶBlenderの基礎 | 日本VTR実験室

こちらの記事が非常にわかりやすく、モデリングからテクスチャ貼り、ボーンを入れてアニメーションまで一通りの操作について順を追って丁寧に書いてありとても参考になりました。Blender始めるなら絶対に読むべきだと思います。

モデリングの流れとしては、地道に四角形の面で形を作っていく感じなのですが、このとき学んだのは絶対に下絵を書いたほうがいいということです。

↑下絵を書かずに途中でどうしたら良いかわからなくなった何がしかの物体

それで先に提示した羊の絵を描きました。正面からとサイドからの下絵をあらかじめなるべく正確に、立体になったときを考えて書きます。それを正面とサイドのガイド絵として設定して作業すると、迷いがなくなるので早くそして綺麗に仕上がると思います。

Sculptris

次に紹介させていただくのは「Sculptris」。

Pixologic :: Sculptris :: OakCorp WEB

これは3Dスカルプト(彫刻)ソフトウェアと言われるもので、代表的な有償のスカルプトソフトウェア「ZBrush」を開発している所と同じ所で開発されている言わば入門版「ZBrush」のような立ち位置のソフトウェアです。

3Dスカルプトとはどういう物か、簡単に言うと、粘土をこねるように直感的にモデリングできるもので、例えば人間やモンスターなど有機的で複雑な形状のものを作るのに向いていると言われています。その他通常のポリゴンモデルにディテールを付加したい時に使われているようです。

↑Sculptrisで作られたムキムキのモンスター

↑ Sculptrisでサイクロップスを作っている過程

【使用感】

 

↑モリモリと肉感的な羊になりました。色も「Sculptris」で塗っています。耳のあたりが結構適当です。

所謂3Dソフトのような複雑さが無く、一見これは簡単で面白そうだなと思っていたのだが、正直一番難しかったです。
盛ったり、削ったり、滑らかにしたり、平らにしたり、画面上で本当に粘土を作る操作をしていくのですが、やはり本物の粘土のように自分の手で触りながら作っていくのとは訳が違います。まず思った形に中々ならないです。自分の脳内から、マウスとディスプレイを介して粘土を作るのがこんなに困難だとは。ちょっと盛って、盛りすぎた部分を平らにして、視点を回転させて、おかしなところを少し削って、というのを延々繰り返していました。

↑ 作り途中の羊。とてもひどい。

また、どうしてもモデルがリアルな形になっていくので、少しでも変なところ例えばちょっと足の先が曲がっていたりとかそういう細部のおかしな部分があるだけで、すごく気持ち悪くなります。いつまでたってもクリーチャーで、可愛らしい「羊」に中々ならなかったです。

初心者は、空想上のモンスターとかそういった、ちょっと気持ち悪い形を作るのが向いてるかもしれません。可愛いキャラクターを作るのは相当難しいだろうなと思います。

MagicaVoxel

最後に紹介するのはミニチュア版「Minecraft」のようなソフト。

MagicaVoxel

こちらはちょっと特殊なモデリングソフトで、ボクセルモデリングソフト、簡単に言うと立体的なドット絵です。その他の有償のボクセルモデリングソフトだと「Qubicle」があります。

こちらのソフト、レンダラーが統合されていて、パストレーシング1を用いた非常にきれいなレンダリング結果が得られるのですが、面白いのが、一つ一つのボクセルのシェイプを円柱や球体、さらにはレゴブロックのように変えることが出来ます。

ミニチュアっぽい雰囲気の世界や、可愛い、いかにもゲームっぽいキャラクターを作るのに向いていると思われます。

【使用感】

↑こちらも向きを変えるたびにレンダリングが走って光を計算し直しています。レゴっぽいおもちゃっぽい感じになりました。

本当にドット絵を書く感覚に似ていました。私が作ったときの流れとしては、まずは正面から見た2次元のドット絵を書き、それを押し出し、かまぼこ状の立体にします。そこから不要な部分を削っていくという流れです。

ボクセルで構成していくので、どうしても斜めの部分や曲線部分が多くなってしまうとがたがたとする部分が目立ってしまい、あまりきれいにならないので、なるべく直線的な形で構成できるといいのかもしれないと感じました。

このソフトでものすごく複雑な風景やオブジェクトを作ってる達人みたいな人2もいるのですが、初心者はまず少ないボクセルと少ない色でシンプルなキャラクターを作ってみるといいと思います。それだけで十分可愛いキャラクターが作れるソフトです。

難点があるとしたら、このソフトで作ると、どうしても雰囲気が似通ってしまうことでしょうか。ただ、3Dのモデルを誰でも手軽に短時間で作ることが出来るという意味で非常に画期的なソフトだと思います。

まとめ

僕はひとまず、「Blender」をもっと勉強してみようかと思いました。
やはりこれ一本でとりあえず完結するので、3Dモデリングの基本が一通り学べそうだと思ったからです。またUnityもBlenderからのオブジェクトのインポートに対応しているらしいです。3

その他の「Sculptris」「MagicaVoxel」も全然タイプが違うので、場面によってはぴったりハマる局面もあると思います。どちらのソフトもとりあえず始めるのは「Blender」よりも圧倒的に楽なので、一回触ってみることをおすすめします。とても面白いですよ。

これから作っていくゲームの進捗などもTECHNOTEに書いていけたらと思いますので、応援して頂けるとうれしいです!よろしくお願いします!


(追記)

ゲーム作ってみたのを記事にしました!/1069

  1. あまり良くわかっていないですが、3Dの描画手法のひとつで、現実世界に近い光の振る舞いをシミュレートすることらしいです。
  2. 達人達の作品
  3. Unity – マニュアル: Blender からオブジェクトをインポート